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コラム2022/05/31
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うつ病の方への接し方や会話をする際の禁句などを詳しく解説
うつ病の方への接し方や会話をする際の禁句などを詳しく解説
うつ病は、誰でもなる可能性がある心の病気です。
身近な人がうつ病になった際、どう接したらよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、うつ病の方との接し方や会話で使う前に確認しておいたほうがよい禁句を詳しく紹介します。
身近な人がうつ病になった際に、正しい接し方でサポートしたいという方はぜひ最後までご覧ください。
大事な家族や友人がうつ病に。そんなうつ病の方へかける言葉
ここからは、うつ病の方への接し方でよいとされる言葉を紹介します。以下に、会話のなかで織り交ぜるとよい言葉をまとめました。
【うつ病の方と会話する際にかけるとよい言葉】
- ・「焦らなくても大丈夫だよ。そこまで自分を追いつめないでね。」
うつ病を発症してしまう方はとても真面目で、常に周りに気を使ってしまう几帳面な性格であることが多いです。
周りの雰囲気を強く感じ取ってしまうことで症状が悪化することもあります。
本人の性格を受容して、寄り添ってあげることで気持ちを少しでも軽くしてあげましょう。
- ・「自分の思いをいつでも話してね。」
うつ病になるとすべてのことに対してのやる気が下がり孤独感を覚えるようになります。
そんなときに「私がいるよ」「なんでも話してね」と声をかけてあげることで本人の感じている疎外感を緩和させられるでしょう。
- ・「無理に自分を変える必要はないよ。」
うつ病を発症するとすべてのことに対してネガティブ思考になり自己嫌悪に陥りやすくなります。
ありのままの本人をまずは受け入れてあげることが大事になってきます。
- ・「いつも頑張っているね。すごいことだよ。」
気分が落ちていることが多いうつ病の方に対しては、まず褒めて自尊心を上げてあげることが大切です。
- ・「無理に返事を返さなくていいからね。」
うつ病の症状には物事への意欲の低下などの症状が見られます。 友人からの連絡を返す気力がなかったり、返事をしないといけないプレッシャーを感じてしまうことがあったりします。
- ・「気分が乗った時でいいよ。」
なににしても催促せず「気長に待つよ」といった意思を伝えてあげましょう。
間違っても急かすことは避けたいですね。
- ・「しっかりと休めているかが心配だよ。」
心配をしているということを本人に伝えるのは非常に大事です。
ピンポイントでうつ病という言葉を使わずに伝えることも重要といえます。
特に、相手の思いを素直に受容したり、相手のペースを尊重したりするような言葉はうつ病の方の安心を引き出しやすいかもしれません。
また、共感は大切ですが、安易な共感や過度な共感は禁物。
人の辛さはその人だけの持ち物です。 相手の「辛い」は、あくまで「相手の辛さ」として受け止めましょう。
うつ病の方への接し方
うつ病の方が自分にとってどのような存在かどうかによって、正しい接し方も変わります。
うつ病の方への正しい接し方を、関係ごとに紹介します。
家族がうつ病になった場合
家族としてうつ病の方と接する際に大切なことは、うつ病を正しく理解することです。
うつ病は治療に時間のかかる病気ですが、薬物療法やカウンセリングを経て徐々に回復して完治できる病気でもあります。
そのため家族は、治療中のうつ病の方に寄り添い見守るようにしましょう。
うつ病で最も大切な治療は、十分に休養を取ることです。
うつ病の方が職場や学校などのストレスの原因から離れ、きちんと休養ができるように家族で協力して環境を整えることが大切です。
また、うつ病の方に大きな判断を任せることは避けましょう。
うつ病の方は、自責的な考えや悲観的な発想をしてしまいがちです。
視野の狭い極端な選択しかできなくなり、心の負担が増えてしまうことも考えられます。
もし、うつ病の家族が突然大きな選択をしようとしたら「焦らずに、治ってから考えよう」と促しましょう。
友人や恋人がうつ病になった場合
友人や恋人がうつ病になった場合の接し方では、まず話を聞いて共感することが大切です。
友人や恋人が落ち込んでいるとき、つい原因を探るように話しかけてアドバイスをしたくなる場合もありますが、それは逆にストレスを与えてしまいます。
うつ病の方への接し方の基本は、寄り添うことです。
友人や恋人のほうから話してくれるまで、無理に話を聞き出さないようにしましょう。
話してくれた時は「つらかったね」「大変だったね」などの、共感の言葉をかけて聞くことがポイントです。
言葉をかけることが難しい場合は、黙って話を聞くだけでも十分です。
話を聞いてくれる人がいるということが伝われば、うつ病の方も安心できます。
また、やってしまいがちな行動として「気分転換をしよう」と提案することがあります。
しかし、うつ病になると以前まで楽しめていたことが心の底から楽しめず、疲労を感じやすい傾向にあるため、結果的に気分転換にならない場合が多いです。
無理やり気持ちを変えようとするのではなく、安心して休養できる環境を作ることがうつ病の方への正しい接し方です。
接し方がわからず敬遠している。同僚がうつ病になった場合
うつ病の同僚に対して気を使って対応を変えたり、過剰にそっとしすぎたりしていませんか?
うつ病になるとセンシティブになりやすく、自分の扱われ方や職場の自分に対する視線に気づきやすくなります。
うつ病だからといって態度を変えたり、神経を使って接したりする必要はありません。 いつも通り接することが大切です。
また、休職中は無理に連絡をして休職理由について深く問い詰めることも厳禁です。
職場の人間関係が原因でうつ病になってしまった事例も多くあります。
そんな時に強引に事情を聞き出したりしつこく連絡をしたりしては本末転倒。
気長に本人からのアクションを待ちましょう。
身近な人が重度のうつ病になった場合
うつ病の症状が進んで重度になった方は「死にたい」「自殺したい」といった、自殺願望を抱えることがあります。
もし、自殺をほのめかす言動が見られたときは、きちんと話を聞いたうえで「生きてほしい」「死なないでほしい」とはっきり伝えましょう。
話を中途半端に聞くことや説教じみた言葉を使うと、うつ病の方はつらい感情を受け入れてもらえなかったと失望し、自殺に踏み切ってしまうことも考えられるため危険です。
言葉で傷つけてしまうことが不安な場合は、黙って話を聞くだけでも自殺の予防に効果があります。
また、薬物療法をしている方で症状が回復せず悪化したままの場合は、薬が適切でない場合も考えられます。
定期的に精神科や心療内科を受診し、専門の医師に症状を伝えて適切な薬を処方してもらいましょう。
うつ病が進行するとどうなるか
うつ病の症状は、進行するごとに変化します。
症状は大きく3段階に分かれ、初期段階・中期段階・重症段階それぞれでみられる症状が異なります。
こちらの記事では、進行状況別にうつ病の症状を詳しく解説していきます。
気になる方はぜひご参照ください。
うつ病の方と会話する際に確認しておいたほうがよい禁句
ここからは、うつ病の方への接し方で確認しておいたほうがよい禁句を紹介します。
以下に、会話のなかで言ってしまいがちな禁句をまとめました。
【うつ病の方と会話する際に確認しておいたほうがよい禁句】
- ・「頑張れ」「努力しろ」などの励ます言葉
- ・「甘えるな」「怠けるな」などの厳しい言葉
- ・「大丈夫?」「心配しているよ」などの過度な心配の言葉
- ・「いつ直るの?」「早く治してね」などの焦らせる言葉
- ・「気にしすぎ」「気のせいだ」などのうつ病を軽視する言葉
- ・「どうしたの?」「何が原因?」などの原因探しをする言葉
特に、励ます言葉や心配する言葉は、うつ病の方にとってプレッシャーになってしまう可能性があります。
うつ病の方を否定する言葉はもちろん、うつ病を軽視する言葉なども「気持ちを否定された」と受け取る可能性があるため禁句です。
あくまでも、寄り添う姿勢や共感する姿勢を忘れない接し方をしましょう。
周りの人が見てわかるうつ病の兆候
身近な人の様子がおかしいと感じたとき、以下のような症状に当てはまる場合はうつ病の可能性があります。
【周りから見てわかるうつ病の兆候】
- ・いつも落ち込んでいるように見える
- ・ため息の回数が多い
- ・日頃しないような失敗などが増えている
- ・同じ話を何度も聞き返してくる
- ・仕事や学校を休みがちになる・遅刻が増える
- ・会話が減る・コミュニケーションを避けている
大切な人が1人で苦しむ前に、早めに話を聞き相談に乗るようにしましょう。
うつ病の方への接し方では気持ちに寄り添う姿勢が大切
いかがでしたでしょうか。
うつ病の方は、心に余裕がなく身も心も疲れやすい状態になっています。
そのため、周りの方は無理に励ますことや元気づけることはせず、安心して休養できるように環境を整えることが大切です。
うつ病の方への接し方で気をつけたいことは、励ます言葉や心配する言葉は余計に追い詰めるため、禁句になるということです。
また、身近な人がいつもと違う様子の場合は、話を聞くことがうつ病の早期発見に繋がります。
YSこころのクリニックでは、うつ病の方やうつ病の傾向がある方の相談を受け付けています。
身近な人の様子がおかしいと感じる場合や、身近にうつ病の方がいて接し方に困っている場合はぜひ当院へ相談に来てください。
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